第8章

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魔法が使われたはず、というのは、警備員が常時警備にまわっており、外に繋がる全ての扉には警備員が二名ずつついている。 そのため、魔法を使わずに侵入することは無理だろう。 クロスはふと盗まれた古代の遺品が置かれていたところに目をやった。 「…?」 (なんだろう…? 何か大きな勘違いをしているような…) 何か違和感を感じたクロスは全力で魔力感知を行う。 しかし、他の人がやったのと同じ様に、全く感知出来ない。 (おかしい…いくら魔力を抑えたとしても、この厳重な警備体制から逃げ出すために魔法無しでできるはずがない) クロスは更に魔力感知を行う。 (いくら時間が半日たったからといっても魔力がここまでなくなるなんてことはないはず…) 更に微量の魔力を感知するために、更に集中する。 極小の、原子レベルの大きさまで調べあげる。 「見つけた」 盗まれた古代の遺品の周辺に微量のここにいる誰のものでもない魔力を感知することに成功した。 そして今度は魔力感知の範囲を国全体まで広げる。 すると、範囲ギリギリのところに同じ魔力を感知した。
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