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寮の食堂がやっている時間は、とうに過ぎていた。
だから、それを知っていた翁長はコンビニで麺類を買っていた。
「食べ、るよな?」
麺類、僕が食べたかったのはお味噌汁なんだけどな。
でも、翁長と一緒ならなんでもいいか。
「あ、飲みモノもあるぞ。麺類には合わないだろうが、味噌汁だ!」
「……」
「ん?花島、どうかしたのか?黙り込んで。っていつもだがな」
お味噌汁、僕が夜のメニューで飲みたかったもの。
翁長が買ってきた。
「僕、飲みたかった」
「え?」
「翁長、ありがとう」
「……。お、お礼を言われるようなこと、別にしてないだろ」
「うぅん。翁長とのご飯、したかった。お味噌汁飲みたかった。翁長が、叶えてくれた。ありがとう」
「…長いセリフだな。ま、受け取っとくよ」
「……。あ」
「ん?なんだ、次は?」
思い出した、篠塚夏王に頼まれていたモノを。
どうしよう、今言うべきだよね。
翁長がこっち見てる。
今、別の話題を言ったら、どう思うだろう。
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