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篠塚の隣まで、走り寄った。
あいさつは、きちんとしなければいけない、よね。
「しっ…。おはよう…」
照れくさかった。
「ん？あ、花島君。どうしたの？」
「あ」
伝えたいことがあるのです。
でも、篠塚には良いことじゃない、かもしれない。
「ん？花島君？」
「好き…」
「え？」
「あ、の」
「落ち着いて、ゆっくりでいいよ」
優しい言葉をくれた。
僕は、篠塚を悲しませたくないな。
だから、やっぱりまだ伝えられない。
「…ごめん」
「……。それって、椿君の…？」
「あ…。ちが」
「…違う？」
違くない。
隠しても、余計に悲しい思いをさせてしまう。
だとしたら、正直に伝える方が篠塚にはいいのかもしれない。
「あの、ね」
「…うん」
「…想うことは、悪くない。重荷には、ならないなら、それは恋と呼べるんだ」
「こ、恋？」
「……」
言葉、間違えたのかな。
「…小説だね。それは、僕の好きな作品の一つに、そのセリフが載っている」
小説だったのか。
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