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「じゃあ、僕は諦めなくてもいいのかな?」
良いと思います。
僕は、応援します。
そう、頷いた。
「ありがとう。花島君」
と、言って篠塚は学校まで走って行ってしまった。
置いてかれた僕は、少しぼんやりしながら、道を歩いた。
すると、腕を掴まれた。
誰かと思い、振り向くと翁長が立っていた。
少しだけ、悲しそうな顔をしていた。
「振られたのか?」
振ったのは翁長でしょう、と言おうと思ったが、止めておこう。
篠塚が、まだ翁長を諦めていないから、まだチャンスはあるだろうから。
「んー…。解らんな」
「今日の昼は、何食べる?」
「って昼かよ!」
「サンドイッチにしよう」
「決定したし。心配して損した」
得することなど、あるのだろうか。
翁長、いつか篠塚のこと、好きになるのかな。
「ん?」
「どうかしたか?」
「……なんでもない」
なにか、胸にチクリと刺さった気がしたけど、気のせいだね。
あ、そう言えば、翁長の言ったセリフが小説の引用なのか、聞かなくても良いか。
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