第四話

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しばらく、新刊コーナーに居た僕と翁長。 ふと、僕の目に入ってきたのは、篠塚に薦められた小説だった。 「篠塚の…。これかな?」 「どうかしたのか?花島」 先を歩いていた翁長が、戻ってきて、僕の手に持つ本を見た。 見た、なんだか一瞬、表情が変わったような気がする。 「…お前…。その作者、好きなのか?」 作者、長尾哲平と言うらしい。 どうしようか、知らないのに、篠塚に薦められたから、で通るかな。 「花島?」 「篠塚が、薦めたから。手にとってみただけ」 「…あ、あぁ篠塚な。最近仲良いもんな」 「…これ買う」 「は?なんで急に」 「なんとなく。薦められたけど、読みたいから」 「…そっか。うん。活字を読むのは良いことだよな!」 と言いつつ、物凄く意外な人に言われると、なんだか変な感じです。 「さてと、そろそろ会計すませるか」 あれ、これってシリーズものなんだ。 一から見ないと、話が解らないのかな。 「どうした、今度は?」 「シリーズ…一から見ないと」 翁長は、小さく溜め息を吐いた。 .
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