第四話

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その日の事と、今回のことがどう関係しているのだろう。 寮の部屋に入って、翁長は僕の腕を引っ張り無理矢理座らせた。 「ごめんな。秘密厳守って理由で、何も喋らない俺が悪かった」 「謝らなくても」 「…ルームメイトにぐらい、話したっていいだろう」 それは、僕が他の人に話さない、を前提にしている言葉だった。 「俺は、長尾哲平だ」 「え?」 あれ、なんだろう。 聞き間違いかな。 疲れが出たのかな。 友人から、とんでも発言をされたような錯覚に陥ってしまった。 「あぁだから、本物だっつの。ぐるぐるさせるな」 「……。あ、だから金銭があるんだね」 「…そこで納得か…」 翁長がうなだれた。 えっと、翁長が長尾哲平だとすると、小説家と言うことになるわけですね。 「…小説、読んでも…いい?」 「あ、あぁ…」 翁長の顔が赤くなった、やっぱり目の前で読まれるのは、恥ずかしいのだろうか。 「…あ」 「なんだ?」 「これ、最新作だから、一番古いの読みたい」 「あぁ、はいはい」 呆れた顔をして、ベッドの下から本を数冊出した。 .
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