362人が本棚に入れています
本棚に追加
篠塚に驚いた表情をされたけど、そのまま居座る。
動くのが面倒臭いから。
「花島君、寝癖付いてるよ?」
「え…、どこ?」
篠塚が僕の頭に、そっと手を乗せて頭を撫でた。
寝癖を直しているのかな。
「んー、これでいいかな?」
「いいかな?」
「よし。おっけー」
「ありがとう」
「うん。どういたしまして」
直った寝癖を撫でていると、水の入ったコップを二つ持った翁長が不思議な表情をして立っているのに気が付いた。
ずっと、見ていたのかな。
「翁長?」
「椿君!じゃ、じゃあね花島君」
「うん」
「……俺は邪魔だったか?」
邪魔なんて、思ってないよ。
まだ、直視出来ないだけなんだよ。
なんて言ったら、駄目だよね。
「今度は邪魔しないようにする」
「……。一緒に話が出来る日が来るよ」
「だといいな」
また不機嫌になってしまった。
どうしたら今回は、機嫌を直してくれるだろうか。
「あの」
「早く食べろ。遅刻するぞ」
そのまま、僕と翁長は会話らしい会話をしないまま、学校に向かった。
.
最初のコメントを投稿しよう!