第六話

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しばらく、翁長に抱きついていた僕は眠っていた。 目を覚ますと、隣には翁長の眠っている姿があった。 迷惑だったかな。 疲れて帰ってきてる筈なのに、しなければならない仕事もある筈なのに、僕が離さなかったから。 「ごめんね」 僕は小さく呟いて、翁長のベッドを出ようとした。 次の瞬間、ベッドに引き戻った。 いや、引き戻された、が正しい。 僕の体は、翁長に抱き寄せられていた。 「翁長…?」 「もう、大丈夫なのか?」 「…平気」 真っ暗で、月明かりしかない部屋の中で、翁長の表情は少しだけ確認出来る程度だった。 「なら、大丈夫か」 「うん。あ、の」 「ん?」 「仕事は…、いいの?」 「あぁ、平気だよ。間に合わせられるから」 やっぱり、動物園に行きたいんだ。 僕は、翁長の力になれるかな。 「あの、僕は…、翁長の力になれる?」 「は?」 「仕事の手伝い」 「手伝いって…」 「早く終わるように」 そうしたら、動物園に行けるしね。 「大丈夫だよ。俺は出来るから」 そう言って、僕の頭をポンポンとした。 .
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