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次の日、いつものように学校はあるので翁長に起こされて、僕は起床する。
食堂で朝食を済ませて、学校に続く道を他愛ない会話をしながら歩いていく。
こんな日が、ずっと続けばいいのに、そんな事をぼんやりと考えていた。
「翁長君」
「ん?」
声を掛けてきたのは、篠塚だった。
いつもは、恥ずかしがって話しかけないのに。
今日はどうしたのだろうか。
「今度の休み、水族館に行きませんかっ?」
「…。いや、悪いけど忙しいから。つか、俺なんか誘わねぇで、この花島を誘ってやってくれ」
「え?」
何故、僕を誘う様に言うんだろう。
あ、うまいあしらい方なのかな。
でも、篠塚は可哀相だ。
折角、勇気を出して誘ったのに、忙しいからって断られてしまって。
「な?」
「…また今度、誘います!」
篠塚は、僕のことなどお構いなしに翁長一直線だった。
「……。気にすることねぇよ?」
「何に?」
「…いや。なんでもねぇよ」
なんだろう、嬉しそうな顔をしている。
何故、そんな顔をしているのか、僕には解らない。
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