第六話

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「いいから、コイツに構うな」 「……。翁長、お前」 「なんだよ?」 「花島が好きなのか?」 「なっ!?」 え、今なんて言いましたか。 翁長が僕を好き?有り得ませんよ。 「だったらなんで、合コンに行かせないんだ?」 「んなの、カモられるに決まってるからで」 「独り占めしたいんだろ」 「なんでそうなんだよ」 翁長が僕のことを好き。 僕のことを、好き。 「ないよ、ね?」 「花島?」 「だって…。僕たちは、ルームメイトで…」 「花島…」 「……あぁハイハイ!これ以上は関わりませんよ!」 そう言って、他の人のところに行ってしまった。 僕と翁長は、そのまま沈黙を続けた。 「翁長」 「なんだよ?」 「…解ってるよ」 「何、を?」 「僕は、ちゃんと解ってるから。そんな顔しないで?」 友達として好き、なんだよね。 うん、そうだよ。 でも、そう思うと、胸が痛いな。 どうしてだろう。 怪我しちゃったのかな。 「……。必ず間に合わせるから」 翁長は小さく、僕にそう告げた。 .
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