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次の日、僕は翁長に起こされた。
「花島、起きろ!お前いつも遅刻ギリだろ?」
ルームメイトは同じクラスでもある。
遅刻ギリの僕を、毎日見て知っている彼が、僕を起こすのは今回が初めてだ。
毎回起こしてくれていれば、遅刻ギリもないのだから。
「……つか、花島としっかり会話するのはじめてじゃないか?」
僕が着替えを始めた頃、翁長は封筒を鞄の中に入れながら話ていた。
僕もそう思って、軽く頷いた。
「……気付かなかったけど、花島って無口?」
いいえ、物凄くお喋りですよ。
あ、嘘です。
僕は他人からすれば無口になる人種のようです。
「んー…。しりとりするか」
しりとり、何故かいきなりな事に少し戸惑ってしまった。
「じゃあ、しりとりのり、から」
「リリアン」
「……」
ん?続けないのかな。
しりとりにならないよ。
「お前、解っててやってる?」
いいえ、解りません。
「ん、付いてるし。そもそもリリアンってなんだよ」
「リリアンは手芸材料に使うもの」
「んなとこだけ流暢だな」
褒められた。
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