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学校が無事に終わった。
慌てて翁長は、どこかに行ってしまった。
寮に帰る道、いつも一人だけれど、なんとなく寂しい気持ちなのは何故だろう。
「花島君!」
誰かに呼ばれた、だから振り返ってみると、そこには男子が立っていた。
「花島君が、遅刻ギリ以外で登校してきたのって珍しいよね?」
どなたでしたっけ。
多分、同じクラスの男子だと思うんだけど、ど忘れしてしまった。
とりあえず、謝っておこう。
「ごめんなさい」
「えっ!?なんでいきなり謝るの!?」
相手に不思議がられた。
「えっと…。もしかして、僕のこと、知らない?」
僕は頷いた。
「…同じクラスなのにねぇ。まぁいいや。僕は篠塚夏王です。好きな科目は保健体育です!」
「…花島弥生です…。好きな科目は、特にないです」
「ぷっ。あはは!花島君って面白いねぇ!」
受けねらいで言ったわけではないのだが、笑われてしまった。
「はぁ。ところで、ルームメイトの椿君とはどういった仲?」
椿君って誰ですか。
ルームメイトは、翁長だったような。
下の名前かな。
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