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その時だった。
唐突に、本当に唐突に、幾重にも重なった嗤い声が、ゲラゲラとリビング中に響き渡った。
扉の外でも聞いた、あの嗤い声。心の底から人を馬鹿にしたような、胸糞悪い哄笑。
漸く分かった。コレは、『ヤツら』の声なのだ。
「今頃気付いたのか?コイツらも呆れてるぜ?」
影の少し呆れたような声が、狂笑の合間を縫って聞こえた。
「……じ、じゃあ、お前は……お前、は……」
先程の、影の言葉を思い出す。
〈お前達は待たなかったじゃねぇか〉
コイツは確かにそう言った。
「……ッ!!」
脳裏に浮かび上がるものがあり、ダグラスは急いで口を開く。息が詰まっていよいよ苦しくなってきたが、それどころではなかった。
「……違、う! あれは、俺じゃ、ない! 俺、は……反対、したんだ! あんな真似、俺は、したく……なかったんだ!!」
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