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ミシミシと身体が悲鳴をあげる。だが構うものか。このままでは絶対に殺されてしまうのだ。
「信じて、くれ! 俺は……最後まで、反対、した! 他の……奴らを、止められなかった事を、今でも……悔やんでいるんだ! だから……ッ!」
「黙れ」
影の冷たい声が、スルリと割り込んでくる。気持ち悪い『ヤツら』の嗤い声は、未だに収まらない。
まるで、お前がどう足掻こうと結果は変わらない、と言っているかのように。
「薄汚い口を開くじゃねぇよ、豚野郎が。悔いていただと? 嘘をつくのも大概にしろ」
言いながら、影は振り上げていた巨剣を脇に下ろした。次いで体の拘束が解かれ、ダグラスはその場に膝をつく。
……助かった?
咳き込みながらそんな事を考えるこちらに向かって、影は更に言葉を重ねてきた。
「……お前にはどんな死に方が相応しいか、ずっと考えていたんだよ」
不吉な言葉を聞きながら、ダグラスは気付く。あれほどうるさかった『ヤツら』の嗤い声が、今はピタリと止んでいる事に。
「本当はコイツでグチャグチャになるまで叩き斬ってやろうと思ってた。でも駄目だな。多分一撃で死んでしまう。苦痛が全然足りやしねぇだろう」
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