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ブチン、と湿った音がした。何が起こったのかよく分からないが、何だろう、肩口が変に痛い。反射的に手を当てると、ヌルリと生暖かい感触に触れた。
「……あ?」
「そこで思い付いた。ああ、これなら相応しいなと思ったよ」
再び、ブチンという音。今度は首筋だ。
「……あ……あぁ……」
「犬畜生にも劣るテメェにゃお誂え向きの死に様だ。なぁ、そう思うだろ?」
ブチン、ブチン。
音は止まらない。痛みも止まらない。室内にグチャグチャと何かを咀嚼するような音が響き始め、ダグラスはようやく何が起こっているのか理解する。
「──あガアアアアアアアアァァァアアアアアアアアアアアアアアッ!!!?」
喰われたのだ。肉を噛み千切られ、咀嚼されているのだ。
遅れた悲鳴をあげると同時に、周りの『ヤツら』が一斉に群がってくる。
イヤだ。こんなのイヤだ。ふざけるな、こんな終わり方絶対に認めない。
『ヤツら』の生き餌だなんて、そんな、そんな……!
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