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その頃、学校では妹の奈々が友達といた。
「奈々!宿題見せて!」
「たまには自分でやりなよ」
「えぇーひどいー!」
「ヒドくありません。手伝いはしてあげるからさ?」
「ほんとにっ?ラッキー!」
「全く、もう…あ」
カバンの中から青いナフキンに包まれた弁当箱を取り出した。
「これ、愁のだ…」
「あれ?いつもと弁当箱違うね?」
友達に指摘される。
「うん、これ愁のだわ」
「愁?あ、奈々のお兄ちゃん?」
「兄だなんて思いたくもないけどね」
あたしは不機嫌そうに言う。
「なんかさー、奈々と日中先輩って正反対だよね。奈々は生徒会で日中先輩は我が校の喧嘩番丁…しかも、ルックス良し!奈々ん家が羨ましいー!」
「ははっ!あたしにとっては邪魔者だけどね」
苦笑いして教室を出ようとする。
「奈々どこ行くのっ?」
「邪魔者のとこ!弁当取り替えてくる」
あたしは三年生の階へと向かった。
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