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……
再び青年の行動が周囲の声を奪った。
「っの野郎!」
青年を囲む男達。
餌に飛び掛るハイエナの群れの様に一斉に青年を襲った。
青年はすかさず後ろから来る拳をいなした。
いなされた拳は青年を通り過ぎ、反対の男の首を突いた。
青年を殴りそこね、仲間に当った拳。
それで伸びきった男の肘頭へ下から堅い金槌の様な何かがうなりを上げ襲いかかる。
青年の拳。
木の枝が折れる様な音と共に男の腕は反対に反り返っていた。
折れた肘関節から骨が肉を突き出ていて、血が滲み出ていた。
男は叫んでいた。
しかしソレは腕の痛みからでは無く、反り返った己の腕が感じさせる恐怖だった。
痛みが腕を襲ったのはそのあとだった。
あまりの激痛……
男は悲鳴をあげ地面をのたうち回った。
襲い掛かりあっという間に二人がやられた。
それをみていた残りのヤクザ達は青年の無慈悲な行為に畏怖し体が一瞬で凍ったように止まった。
警戒した男達葉数で勝てるという安易な考えを捨て、瓶や鉄パイプ等の武器に仕えそうなものを辺りから見つけては手に取る。
隠し持っていた刃物を出したりする者もいた。
クックックッ
周りを武器を持ったヤクザ達に囲まれているにもかかわらず青年の口からは笑みがこぼれていた。
しかし青年の態度に対して周りの男達は怒りを見せないどころか声すら出さ無い。
自分達一人一人より強い青年。
それを自覚し、青年への警戒を強めて距離を徐々に詰めていった……
じり
じり
革靴から出る音は場により緊迫感を張り詰めさせた。
男の一人が跳び掛かった……
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