7人が本棚に入れています
本棚に追加
桜が散るころに私たちは出会った。
家から少し離れた私立高校に通い
始めた私は、学校帰りにふと
コンビニに入った。
別段変わったところのない普通の
コンビニだ。
何気なく雑誌を立ち読みしてから
チョコレートを片手にレジに
向かった。
「128円になります!」
私は目も合わさずに130円を
置いた。
「お釣りの2円になります!」
お釣りをもらって外に出ようと
した時
「ありがとうございました。
また来てくださいね!」
と店員は言った。
私は、え?と思った。
いや、そこは、またのご来店を
お待ちしております!
じゃないの?
私は振り返った。
そこにはくったくのない笑みを
浮かべる同い年くらいの男の子が
立っていた。
最初のコメントを投稿しよう!