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中に入ると、そこには様々な魔法の実験器具や書物。
そして…、大量の人形…。
「いいえ。ここは森の中にあるただの家。」
「それはわかってるけどさ…ぉ、ありがとう。 ってこいつらはなんだ?」
手を出してきた人形に帽子を渡し、椅子を引いてくれた人形に礼を言いつつ座った魔理沙は、疑問を少女に投げかけた。
「人形よ。」
「いや、それはまぁ、見れば分かるけどさ…。」
「分かるなら聞かないで。」
「いや…、まぁ…、そうだな…。」
………
(うっわぁ…、気マズい…。愛想悪すぎだろうよ…。 どうしようか…。うん、とりあえず情報収集だぜ。)
「なぁ、こいつらはどうやって動いてるんだ?」
テーブルの上をトコトコ歩き回っている人形をつつきながら、聞いた。
「私の魔力。」
対面に座って右手で本を読みながら、少女は答えた。その左手は絶えず、小さく、細かく動いていた。
(おぉ…、終わりかよ…。)
「へぇ、自律してるわけじゃないんだな。」
何の気もなく魔理沙は聞いたつもりなのだが、対面に座る少女は、ほんの少し、目を閉じて短く、
「えぇ。」
と、答えた。 何故だか先ほどよりも距離が遠くなった気がした。
「それで、」
本を閉じて、少女は口を開いた。
「なんの用なの?」
出された紅茶を飲みつつ、
「んー、用らしい用は無いが、まぁ要は無いな。」
「そう。」
少女はまた、本に手を伸ばした。
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