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その昔、神と闇の二つの種族は互いに助け合って生きて来た。
今まで神と闇。この二つの血が混じる事はなかった。
そう、神と闇の血が混じる事は禁じられていた。
神と闇の二つの血を持って生まれてくる子供はどんな敵よりも強く一瞬にして世界を破滅へと追い込むと伝えられていた。だが、今まで神と闇の二つの血を持つ者は生まれてくる事はなかった。
しかし、その掟はある二人の夫婦が破ってしまった。
男「ウィンディ!!早く来るんだ!!」
女「はぁ…っはぁ…っもう駄目だわ!!ヴォルジュル…っ諦めましょう。私達は掟を破ってしまったわ。潔くこの子を渡して死にましょう。」
男の名はヴォルジュル。闇の王であるキリトの部下だ。
女の名はウィンディ。神族の住人。
二人は掟を破り子を授かったのだ。
そう、二つの血を持つ男の赤ん坊を…
ヴォ「何を言っているんだ!!ウィンディ!!その子を残して死ねる訳がないだろう!!この子は私達の未来なんだぞ!?もしアイツ等に渡せばその子は実験台にされて殺されてしまうんだぞ?」
ウィ「でもアイツ等はしつこいし私は疲れてしまった。もう逃げられないわよ。」
ヴォ「頑張るんだ!私達の為にもその子の為にも…」
ウィ「ヴォルジュル…」
二人は神族と闇族の兵士達から追われていたのだ。
理由は掟を破った罰と赤ん坊の奪還だ。
もし赤ん坊が二つの種族に捕まれば実験台にされて殺されてしまうのだ。
兵士「いたぞ!!逃がすな!!」
ヴォ「!!見つかった!さ、立つんだ。ウィンディ!お前は一人で逃げろ!」
ウィ「ヴォルジュル!あなたはどうするきなの?」
ヴォ「アイツ等を引きつける!その間にお前は逃げるんだ!出来るだけ遠くに!」
それだけを告げてヴォルジュルは兵士達の元に走り去ったのだ。
ウィ「ヴォルジュル!!」
ヴォ「行くんだーっ!!ウィンディーっ!!」
ウィンディは涙を堪えて言われた通りに逃げ出した。
そして二人が再び巡り逢う事は二度となかったのだ。
あれから20年が経った。
赤ん坊は「ガルジェル」と名付けられた。異名は「ペガサス」と名付けられ神族として母親のウィンディと二人で暮らしていたが10年前に母・ウィンディは病に倒れて息を引き取ったのだ。
孤独となったガルジェルは自分の中に流れる神族と闇族の血を使って生きて来た。
そして母・ウィンディにずっと言われ続けた「父を殺した種族への復讐」をしにまずは母さんを苦しめた神族へと潜入したのだ。
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