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「総司、深雪ちゃん!燈奈借りていくよ!」
「「よろしくお願いします」」
声を掛ければ即答で返ってくる。あんなに話が縺れ込んでいるのも珍しい。永倉は二人に苦笑を漏らすと燈奈を抱き、鉄之助を引き連れ奥に引き下がった
「見てください。いつまでも煩わせるので燈奈が連れて行かれたじゃないですか。」
「それは深雪だって同じことじゃないですか。」
多少不機嫌になりながらも作業だけは着々と進めてゆく。総司も総司で深雪の隙を見ながら作業を手伝っていた。
「「あっ...」」
声が重なり手元を見れば手も重なっている。洗濯物が無くなっている。そこではっとして深雪は手を引っ込め左手で手を包みながら微かに赤くなり視線を逸らした。総司も総司で視線をずらし頭を掻いた
せっかくお互いにゆっくり出来るのに何をしているのだろう
「あ、あの...総司さん...すみませんでした」
おずおずとしながら小さな声で謝罪する深雪に総司の顔が微かに赤くなる
こんな時でも可愛いと感じてしまう時点で重症だ
「い、いいえ...こちらこそごめんなさい...」
お互いに謝れば可笑しくなり笑いが零れた。
「....燈奈には申し訳ない気もしますけど、折角ですから久しぶりに屯所を抜け出してお出掛けしましょうか」
「それもいいですね。」
こっそり抜け出した二人は後に土方にこってり絞られることになる
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