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「...ッ...」
彼女の漆黒の瞳は外の雨など映していなかった。
悪い予想が当たったことに、総司は唇を噛み締めたが、そっと彼女を抱き締めた。
「雨は...「...雨は血を洗い流そうとして朱くなるのです」
「..ち?....」
「はい。...そして...」
そして
「貴女の代わりに泣いてくれているのです」
「私のかわり?」
「...はい。ですから、貴女が気に病む必要は無いのです」
カワリに洗い流してくれるから
「...ありがと...総司...さ..ん.」
「いいえ...」
力無く放り出されていた彼女の腕が自分の背中に回ってくることに総司はどこか安心した。
「...貴女も私も、未練を残して死んだ方々の分まで必死に生きなければならないのですから...」
天命のままに...
「...辛いですね...」
「えぇ。とっても。」
でも、
「深雪さんの声を聞いて、見つめる事が出来て、たわいない会話をして、...そして、こうして、深雪を抱き締めて温かさを実感出来る幸せが得られるなら...辛さも無くなりますよ」
「そうですね...」
彼女から微かに笑みが零れた事を感じ、抱き締める力を強くすれば、彼女の腕にも力が入った。
「...幸せをありがとうございます」
「どういたしまして。」
『抱き締めることの幸せ』
(総司さん着替え...)
(深雪さんがいつも以上に綺麗なので、もう少しこのまま...)
(...っ//..もぉ....)
―――――――――――――――
あとがき
甘甘なのか、シリアスなのかワカラナーイ!!
ジャッジは読んだ方にお任せします
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