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「燈奈いらっしゃい。」
「かぁさまっ!」
洗濯籠を持ち総司の部屋の前を通れば総司の腕の中で遊んでいた燈奈は深雪の姿を捉えると総司の腕をすり抜け深雪の元に走り寄った。深雪は洗濯籠を床に置くと燈奈を抱き締めて抱き上げた。
「お父様と何をしていたんですか?」
「くすぐられっこ!」
「燈奈は弱いですからねぇ」
「総司.....」
気付けばすぐとなりに立って笑顔を向けている。総司が燈奈を再び抱き上げると燈奈の弱い所を擽ると燈奈はそれに高い声を上げて笑い始めた
深雪はそれに口元を抑え笑いを噛み殺した
「お加減は如何ですか?」
「最近は大丈夫ですよ。とっても元気です。」
ねぇ?と燈奈に問い掛けながらまた彼女を擽り始めると燈奈は擽ったさに体を捩った。
「もうそれくらいにしてあげたら如何ですか?なんだか燈奈が可哀相に見えてきちゃいました」
擽られ笑いながらもイヤイヤと首を振り始める燈奈を放ってはいけない。
笑い疲れてくてっと総司の肩に寄りかかる姿に深雪は苦笑を漏らしてしまう。
深雪は洗濯カゴを持ち上げると総司に笑顔を向けた
「久しぶりにこの仕事が終わったら非番なんです。」
「そうなんですか?」
きょとんとして事実を確かめる総司に深雪は苦笑をもらした。伝わっていたようで伝わっていなかったらしい。
「ですから久しぶりにのんびりできますよ。」
「ひーたんと?」
「えぇ。当たり前じゃないですか。」
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