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海斗の家は一軒家である。
一人で生活するには少々大きすぎる家。
「ただいま」
応えてくれる人はいないが、すでに習慣となった癖は中々やめられない。
海斗はタオルと着替えを用意するとすぐに風呂場に直行した。
びしょ濡れで少々臭かった子猫を無理矢理風呂所で洗い、自分も温まることにしたのだ。
「ニ゙ァァァァァ!!」
「こら!暴れるな」
暴れる子猫を押さえ付けてシャワーを浴びせる。
風呂からでた海斗は子猫を拭き、自分も着替える。
夕食にしようと海斗はキッチンに立つ。
「あ、こいつのご飯どうしよ」
生まれてどれくらい経っているのかわからないため、何を与えればいいのか。
「生まれたてってことはなさそうだけど、牛乳でいいか?」
「ニァ!」
コクコクと首を縦に振る子猫。
まるで言葉を理解している様な子猫に海斗は微笑む。
「そっか」
その後海斗は子猫に牛乳を与え、自分も夕食を手早く済ませ、少々早いが寝ることにした。
「ふふ、おやすみ」
ベットの中に潜り込んできた子猫の頭を撫でる海斗。
その日、久しぶりの自分以外の体温を感じた海斗は深い眠りに誘われた。
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