1人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
仕事中に、ふと。
窓に目をやると、空は青白く
朝なのだと気付かされる。
この仕事に就いて7年経つが、
こんなふうに朝を迎えるのは
毎度のことだ。が、一向に慣れない。
仕事に追われるばかりで、ほか何も
出来ていない。ユトリがない。
出口が見えないまま終わりのない
何処へ向かっているかさえ解らない。
夢も目標もないまま、ただ無我夢中で
仕事を必死で覚えようと、
ここまで来たけれど。
何も見つけられないでいる。
ときどき不安になる。このまま
何も見つけられないかもしれないと。
友人の誘いは当然、約束すら出来ない。
行きたくても行けない。
あるとき、家族に友人たちに
ホントに仕事が好きなんだねと
ため息交じりに言われたが
仕事を好きだと感じたことなど
一度もない。
好きになるために、ガムシャラに
走ってきた。その先に光があると信じて。
いまか今かと、待ち侘びて。
それは、いつもと変わらない朝に思えた。
ただ一つだけが、いつもと違っていた。
最初のコメントを投稿しよう!