ロングバケーション

3/13
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
熱があって頭がボーっとしていた。 ただの疲労だろうと気にしなかった。 そして。誰も私の熱に気がつかなかった。 普段通り、朝までかかる仕事を 夢中で取り組んでいたら、 ほとんど話したことのない先輩が 手伝うよと、言ってきた。 突然どうしたのだろうと不思議に思い 最初は、丁重に断った。 ほとんどのスタッフが帰り、残ったのは 私と彼と、ほか数名だけでした。 彼が遅い時間まで残るのは珍しく、 よっぽどのことがなければ定時で 帰れるような部署でした。 お茶を買いに行くときに彼が まだ残っているのに気がつき、 こんな時間まで仕事があるのに さっきは何故、手伝うよと言ったのか 余計に不思議に思った。 席につこうとしたとき、彼が再び 手伝うよと言ってきた。 もう終わります。と、嘘をついた。そして いきなり私の額に手で触れてきた。 驚いた私は、後ずさり、目を見開いた。 やっぱりね。と彼がため息交じりに。 いつもと様子が違うなと思ってたよと。 熱があるのに気付いていたのだ。 それを聞いて、更に、私は驚きを 隠せずにいると、お構いなしに彼は で。今日は、どこまでやれば終わりなの?指で示すと、これ全部?これ一人で? 無茶だよ。手伝うから指示して。と 少し怒った口調で言い放つのだった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!