―冬の夜―

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  『…なんだぁ?!…俺の事が嫌いだぁ?!……っこのやろうっっ!!ふざけるなぁっ!!』   突然起きた息子の抵抗に今までに無い怒りをあらわにして旦那は拳を振り上げる。   ――ダメっっ!!危ない!!   咄嗟に息子の手を引き自分の体に引き寄せた。 振り下ろされた拳は私の肩にぶつかり焼ける様な痛みが走る。   『二人して俺を馬鹿にしやがってぇっ……!!』   振り上げた拳が怖かった。 殴られる痛みも怖かった。 大きな体で大きな声で詰め寄られると何も出来なかった。   ――でも…守らなきゃっ!! 息子を…守らなきゃっっ!!  
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