―冬の夜―

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  走って 走って…走りまくった。 息子の手をシッカリ握り一緒に暗くて寒い住宅街を走り抜けた。 追い掛けられて捕まったら…それだけが頭から離れず必死に走った。 細い道を沢山 曲がり出来るだけ遠くへ…出来るだけ あの人から離れられる様に…。   どれ位 走ったろう。 閑静な住宅街にポツンと光るコンビニを見付けた。 少し歩調を緩め息子を見る。   『…はぁはぁ…ママ…もう…はぁちゃん…はしれ…なぁい…よぉ…はぁはぁ…。』   顔を真っ赤にして真っ白い息を吐きながら息子の隼人は途切れ途切れ喋った。   『…ママも…限界かもぉ…。はぁはぁ…少し休もう…かぁ…。』  時間の感覚なんて とっくに無くてふと今 何時なのか気になった。 二人でシッカリ手を繋ぎながらコンビニの駐車場へ。
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