―冬の夜―

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  『…大丈夫だよ…。ありがとう…。ありがとう。こんなに小さな手で守ってくれたんだね。』  小さな隼人の手にそっと小さくキスをした。 汗ばんだ隼人の手は少しだけ しょっぱかった。   ~♪~♪   その時着信を知らせるメロディが静かな駐車場に響いた。 隼人も この音楽が良い物とは思えなかった様でビクッと体を震わせた。   ――どうしよう…。   どうせ電話に出た所で怒鳴られ帰って来いって言われるに決まってる。私は腹を括り着信は全て無視する事に決めた。   『はぁちゃん…??もう大丈夫。怖い事なんて なぁんにも無いよ。大丈夫。もう…はぁちゃんに怖い思いなんて絶対させないよ。』   機嫌が悪くて ぐずぐずしてる 時だけ呼ぶ『はぁちゃん』。 今は少しでも安心して欲しくて わざとそう呼んだ。
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