―冬の夜―

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  旦那が奮った初めての暴力。 今 思えば あの時死に物狂いにでも抵抗すれば良かったんだ。   でも私は…圧倒的な恐怖に襲われて…体験した事の無い震えに襲われて…。   『ごめんなさいっ!!やめてっ!!ごめんなさいっ…!』   謝ってしまった。 私の言葉を聞いて旦那は…ほんの少しだけ笑っていた気がした。 そして旦那は壁に体を押し付ける様にうずくまり、謝り、泣く私を少しだけ笑いながら蹴り続けた。   『…お前が…お前が悪いんだ……馬鹿にしやがって…俺はなぁ…。』   何度も何度も蹴られ髪を捕まれ顔を無理矢理 上げさせられる。恐怖と痛みで涙が止まらないグシャグシャな私の顔を何度も殴る。   『お前が悪いんだっ…!!』     ――私が、悪いの?? ごめんなさい。 ごめんなさい。 悪い所は直すから…。 もう… 殴らないで…??
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