―冬の夜―

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  それから3年間 事あるごとに殴られた。 当時 生まれたてだった息子も旦那が私を殴る姿を見て育ってしまった。 父親の顔色を窺い母親の泣く姿を見て…。   逃げる気力も抵抗する気力も全て削ぎ落とされ ただただ心の通わない人形の様に生きていた。 そんな私を見て泣きそうな顔で見つめる小さな息子。 何もしてあげられない自分が憎らしくて…いっそ二人で生きる事を辞めてしまおうか…。 そんな事まで考えてしまった。   そんな日々が日常になった冬のある夜。
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