―冬の夜―

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  その日も些細な事から旦那の機嫌は悪くなり また殴られる。 いつもの様に壁際にうずくまり この時が終わるのを待っていた。 殴られた顔は熱を持ち腫れているのだろうか…上手く目が開かない。 蹴られた足は痛みが激し過ぎるのか…衝撃を感じるだけで痛みを感じない。   ――慣れちゃったのかなぁ…。なんか もう駄目…。疲れちゃったなぁ…痛いのも辛いのも。…もう……。   どれくらいの時間 続いたか分からない暴力の嵐に疲れ意識を手放そうとした時…。   『パパ きらいっっ!!』   息子の声と手が意識を取り戻させた。
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