0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
「どうしても行かなくてはならないのですか。」
姫は、今にも泣きそうな声で尋ねた。
「私には、やらなくてはならないことがあるのです。」
青年は、そっと姫の肩を抱き寄せつぶやいた。
「私を置いて行かないで!」姫は、泣きながら青年の胸に顔を近づけた。
青年は、優しいながらも、強い口調で姫に言った。
「私の行うことは、貴方の為でもあるのです。それに、この世界を救うことにもなるのです。私一人の命で世界が救われるなら、この命を捧げます。」
姫は俯きながら呟いた。
「私のことは、どうでもいいのですね。アストラル」
アストラルは、姫の頬にキスして「行ってきます。」と呟き、その場を去って行った。姫は、その場にうずくまり啜り泣いていた。
最初のコメントを投稿しよう!