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一成「思い当たる所無いのかよ?」
思い当たる所っ!?
そんなの無い……あっ。
涼香「まさか…、もしかしたらっ!!」
鞄の中身をドサッと入れ直し、勢いよく立ち上がった。
その瞬間に私の頭上に一成の顔があるなんて思わなかったので
一成「い゙でっ!!」
涼香「っだっ!!」
2人同時に痛みが走る。
私は頭、一成は顎に。
一成「お、おま…急に、立ち上がんなよ…った…」
涼香「いったぁ…、あんたが私の上に顔があるからいけないのよっ」
なんちゅー言いかがりだ…。
涼香「ちょっと、探してくるっ」
遥「いってらっしゃ~い」
ニコニコしながら手を振る遥を振り返る事なく、私は昨日行ったCDショップへと走った。
と、その場所に着いたのはいいけど。
【OPEN 10:00 ~】
携帯の時計は9時。
涼香「……」
学生証の為なら、いや、尚志くんの写真の為なら!
涼香「すいませーんっ!」
私は開かない自動ドアを思い切り叩き叫んだ。
涼香「すいませーんっ!!誰かーっ!!居ないですかーっ!!」
すると、奥からボサボサ…じゃない、ロン毛のお兄さんが現れた。
自動ドアの鍵を外すと、手でドアを開け
「あの、まだ開店時間じゃないんすけど」
涼香「知ってます、ドアに書いてますからっ」
「じゃ、まだ…」
涼香「じゃなくて!!
あの、私の学生証落としてませんでしたか!?」
「が、学生証…ですか?」
学生証が無いと…、ってか尚志くんの写真を見られたくないってのが本音だけど。
「ち、ちょっと待って、ください…」
お兄さんはパタパタと走り、レジの下の棚をガサゴソ漁りだした。
しばらくして、ひょこっと顔を出すと
「いや、…学生証らしき物は無い、ですね~…」
頭をポリポリとかきながら、ボソボソと喋る。
涼香「そう、ですかぁ……。朝からお騒がせしましたぁ」
肩を落として大学へと戻った。
あーっ!!
学生証ーぉ、どこに消えちゃったのーっ!?
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