★1話★

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一成「思い当たる所無いのかよ?」 思い当たる所っ!? そんなの無い……あっ。 涼香「まさか…、もしかしたらっ!!」 鞄の中身をドサッと入れ直し、勢いよく立ち上がった。 その瞬間に私の頭上に一成の顔があるなんて思わなかったので 一成「い゙でっ!!」 涼香「っだっ!!」 2人同時に痛みが走る。 私は頭、一成は顎に。 一成「お、おま…急に、立ち上がんなよ…った…」 涼香「いったぁ…、あんたが私の上に顔があるからいけないのよっ」 なんちゅー言いかがりだ…。 涼香「ちょっと、探してくるっ」 遥「いってらっしゃ~い」 ニコニコしながら手を振る遥を振り返る事なく、私は昨日行ったCDショップへと走った。 と、その場所に着いたのはいいけど。 【OPEN 10:00 ~】 携帯の時計は9時。 涼香「……」 学生証の為なら、いや、尚志くんの写真の為なら! 涼香「すいませーんっ!」 私は開かない自動ドアを思い切り叩き叫んだ。 涼香「すいませーんっ!!誰かーっ!!居ないですかーっ!!」 すると、奥からボサボサ…じゃない、ロン毛のお兄さんが現れた。 自動ドアの鍵を外すと、手でドアを開け 「あの、まだ開店時間じゃないんすけど」 涼香「知ってます、ドアに書いてますからっ」 「じゃ、まだ…」 涼香「じゃなくて!! あの、私の学生証落としてませんでしたか!?」 「が、学生証…ですか?」 学生証が無いと…、ってか尚志くんの写真を見られたくないってのが本音だけど。 「ち、ちょっと待って、ください…」 お兄さんはパタパタと走り、レジの下の棚をガサゴソ漁りだした。 しばらくして、ひょこっと顔を出すと 「いや、…学生証らしき物は無い、ですね~…」 頭をポリポリとかきながら、ボソボソと喋る。 涼香「そう、ですかぁ……。朝からお騒がせしましたぁ」 肩を落として大学へと戻った。 あーっ!! 学生証ーぉ、どこに消えちゃったのーっ!?
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