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少し緊張しながらも、仁の電話に出た。
涼香「は、い」
仁 ─ バイトお疲れーっ
涼香「よく私がバイト終わったってわかったね」
仁 ─ あぁ、勘ってやつ?
涼香「で、何の用で?」
仁 ─ CD屋で話してた事だよ
あ~、彼女のフリして、って話ねぇ。
涼香「なんで彼女のフリしなきゃなんないの?」
仁 ─ 実はさぁ~、俺ストーカーされてんだよね
高校生にストーカー!?
世の中本当に物騒になったもんだな…。
仁の話によれば、今、同級生の彼女が居ると言うのだが、仁はもう彼女の事を好きではなく、別れたいと彼女に切り出した。
でも彼女は固くなに別れない!!の一点張り。
電話やメールは毎日があり、着信拒否や受信拒否をしても、彼女は違うクラスではあるが、毎日教室にやってくると言う。
しまいには家にまで押し掛けてきてプレゼント攻撃をされるんだとか…。
涼香「ほう~…大変だぁね」
仁 ─ なんか他人事みたいな言い方じゃね?
いやいや、他人事だから言ってんだけど??
涼香「まぁ、話はわかった。で、私に何をしろと?」
仁 ─ まぁ涼香は特に何かするかって言うのは無いんだけど…
…な~んか意味ありげな言い方…。
仁 ─まぁその女がさ、会わせてって言うわけ
涼香「…はぁ……?」
仁 ─ 俺、好きな奴が居るからって嘘ついちゃったんだよね~
涼香「…で?」
仁 ─ まぁそいつは信じないわけよ。彼女はあたしじゃん!!みたいな感じで
涼香「…だから?」
仁 ─ だから、そいつにもう俺と別れたんだと実感させたいわけなんよ
……ん~アブナイ賭けのような……。
仁 ─ そいつとキッパリ縁が切れたら、飯でも何でも奢ってやるけど?
…奢って……。
涼香「…し、仕方ないなぁーっ。そこまで言うなら、協力してもいいけどーっ」
ああ~…なんで、私って【奢る】という言葉に弱いんだろう……。
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