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あれから約1年半。
私は両親の残してくれた財産のおかげで、まだ生活できている。
でも、やっぱり…大学ってお金がかかるもので…。
バイトをできるだけ詰めて入れて、深夜までファミレスで愛想振り撒いて、疲れた~とベッドへ倒れれば、いつの間にか朝はやってくる。
あ、学校…行かなきゃ……。
授業中寝るのなんて日常茶飯事。
今日も寝てしまった。
「ちょっと…涼香っ、起きなっ」
涼香「ん~…むにゃ……、クゥ……」
「まぁた寝てんのかよ?」
スパーンっと弾けるような音が頭に響いた時、ようやく現実へと戻される。
涼香「いーったいな!!誰よ!!」
「あんたが起きないから悪いんでしょ~、もう終わったよ?」
呆れた顔でそんな事を言うのは、大学で友達になった新藤 遥(しんどうはるか)
「相変わらずよく寝るねー、ほんっとに」
多分私の頭を叩いたであろうコイツは片桐 一成(かたぎりかずなり)
みんな、一成のことを「いっせい」って呼ぶ。
まぁ、あだ名なんだけど、本名がいっせいだと勘違いするのも居るとか。
涼香「いっせー、あんたちょっとは優しく起こせないもんなのっ!?」
一成「だぁれがお前みたいな野蛮な奴を優しく起こすかよっ!」
野蛮、ってなんだよ、野蛮って。
遥「はいはーい、もうっいい加減にしなよ~」
いつも決まって一成との間に入るのは、遥の役目。
遥「それよりっ、お腹空いたぁ!!はい、2人ともっ、学食行くよーっ」
一成「行くかぁ!!
多分、あいつらはもう居ると思うしなっ」
一成のいう【あいつら】ってのは、学部は違うけど一成の友達。
実は、その中に好きな人が居るんです、私。
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