第一話:幸運レンタル機

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孝介と伸吾、そして美鈴は、幼稚園からの幼なじみ。 人気者の伸吾に活発な美鈴。 その後をいつも孝介がついて歩いていた。 3人で同じ高校を受験し、見事合格した。 成績のよろしくない孝介は、この時程努力した事はないだろう。 そんな努力の裏には、一つの理由があった。 美鈴と同じ学校に行きたい。 美鈴は、成績はまあ人並み。 しかし、昔からスポーツが得意だった。 高校に入ってからは陸上部に入部。 引退するまでは、部長を勤めていた。 明るく活発な性格。 何より、近所でも学校でも評判の美少女なのだ。 伸吾と並ぶと、まさに美男美女。 そんな二人に孝介は、子供の頃から劣等感を持っていた。 その反面、自分と正反対な美鈴に、密かな想いをよせていた。 「あんたのせいで、あたしまで向田の長話聞かされたんだから。 ちょっとは反省しなさいよ!!」 と、美鈴は丸めた教科書でまた孝介の頭を叩く。 「やめろよ。せっかく覚えた英単語忘れるだろっ」 頭を抑え、必死に抵抗する。 そんな二人を、笑顔で見つめる伸吾。 いつもと何ら変わらない風景。 仲の良い3人の、いつもの日常。 こんな日がいつまでも続くと思っていた。
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