序章

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奥へ進むと、小さな部屋があった。 事務所だろうか? ここもやはり薄暗く、灯りは蝋燭だけ。 中央にはテーブルと椅子がある。 「どうぞ、お掛けください」 促され、椅子に腰掛ける。 テーブルの上には、水の入った大きな皿が置いてあった。 「これは、記憶の水鏡と言います。 これまで、商品を購入した人達のその後を、全て記憶しています。 そして、その記憶を映し出す事ができます」 少年はそう言うと、向かい側にゆっくりと腰を下ろした。 蝋燭に照らされた少年は、幻想的で美しく見えた。 「さて、これからお話するのは、商品を手に入れた人達の物語。 不思議な商品を手に入れた事で、彼らの人生はどう変わったのか? 幸せになれたのか? それとも・・・ 一つだけ確かな事は、彼らの人生に、劇的な変化をもたらしたという事。 それでは、お話しましょう。 数奇な運命の物語を・・・」
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