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奈緒は、いつも恋に生きる女だった。進学もしなかったし、仕事にも興味なんてなかった。「はいはい。」子供をあやす奈緒は、時々知らない人に思えた。
この10年。
私だってこういう人生があったかも知れない。ダレかと出会い、恋に落ち、子供を生んでいたかもしれない。それが、幸福かも不幸かもわからない。「なんかあったの?」私は、言おうかまた迷う。もう別の人生で、私の死なんて奈緒にはもう関係ないかもしれない。そうやって時々、私は素直さも失っていく。「男?」そう言う奈緒は、子供を生んでからも若々しい。「うん。」私は、切り出せなくなって曖昧にうなづいた。「嘘でしょ?」いつも奈緒は、私の心の中を見透かしてるようだ。「何があったの?言えないこと?」奈緒のこと
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