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俺の頭が真っ白になってる間に、どうやら部屋の掃除は済んだようだ。
押し入れにしまっておいた布団一式を取り出し、床に敷いていく。
「じゃあ、あなたが床に寝てくださいね」
「はぁ?」
何を勝手に決めているんだコイツは…
「女の子に床で寝ろって言うんですか?」
さっきは若くないとか言ってたのに、こういう時だけ女の特権使いやがって…
仕方ない、ここはビシッと文句を言ってやるか。
「ダメ……ですか?」
「どうぞ、ベッドでお休みくださいませ」
うん、言えなかった。
潤んだ瞳で言われたら何も言えねぇよ…
「さすが和樹さん、優しいですね」
ニコッと笑いながら言ってきた。
これが普通の女の子なら、どんだけ嬉しい事か…
「ところで、お腹空いたんですけど…」
さっき食べてたよね?
君の胃袋はブラックホールですか?
「和樹さ~ん、何か作ってくださ~い」
「あのねぇ、俺だって腹が……あぁ!!」
俺は思い出した。
この精霊が出てくる直前にカップラーメンを作っていた事を…
急いでテーブルの上に置いてあるカップラーメンを手に取り、中身を確認した。
……うん、汁が無いです。
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