-指輪の精霊-

3/8
前へ
/300ページ
次へ
どうやら怪談話ではなく、単なる指輪の言い伝えを話していたようだ。 「つまり、これを身に付ければ願いが叶うと?」 「そういう事だよ」 胡散臭い話だ。 何でも願いが叶うなら、何で自分の指に指輪をはめないんだ? 俺はこの疑問を爺さんに訊いてみた。 「その指輪は心の清い者にしか身に付けられないんだ…恥ずかしい事に、わしは指輪をはめれなかった」 単に指が太いだけじゃね? 俺はその話を9割方信じずに店を後にした。 指輪は箱に入れて、家に帰ってから付けようと思った。 「暇潰しにはなったかな…大学に行って、煙草でも吸うか」 俺はバッグの中に指輪の入った箱を入れて大学に向かった。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

211人が本棚に入れています
本棚に追加