-指輪の精霊-

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「あ~…疲れた」 家に帰って来た俺はベッドの上に鞄を放り投げた。 風呂に入る為にお湯を貯めて、着ていた服を洗濯している内に19時を過ぎてしまった。 今日は面白い番組は無いし、明日も大学の講義があるから気分は最悪だ。 唯一幸せだったのは紫音さんと知り合えた事だが、煙草を吸っているのが分かり幻滅してるかもしれない。 そう考えていると段々鬱になってきた… もう死にたい… 俺はいつも以上に肩を落とし、今日の晩飯の準備に取り掛かった。 と言ってもカップラーメンなんだが… 「はぁ~…彼女欲しいよ」 俺は深いため息をつきながら、カップにお湯を注ぐ。 この3分間が非常に長い。 何で3分間なんだ? お湯が麺に染み込む時間が3分間なのか? それとも、この待ち時間が食欲を更に湧かせるベストな時間なのか? そもそも俺は誰に話しかけてるんだ? そんな事を考えながら時計を見ると… うん、30秒も経ってませんでした。
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