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「まず、自己紹介をしてもらえませんかね?精霊さん」
突然、目の前に現れて願いを叶えてくれと言ってくる精霊に対し自己紹介を求めた。
この状況を理解するには情報が少なすぎるからだ。
「人に名前を聞く時は、まず自分から名乗るのが礼儀のはずです」
全くその通りです。
しかし勝手に人の家に上がり込んだ上に、冷蔵庫のお茶を勝手に飲むのは礼儀から外れてないか?
そう思ったが、話が進まないので軽く俺から自己紹介をしてあげた。
「ふぅ~ん、和樹さんですか」
反応はそれだけですか。
「私は指輪の精霊、名前は…無いです」
無い?
「私は願いを叶えるだけの精霊なので、不必要な物は与えられてないんです」
名前は必要だと思うが…
しかし、俺が聞きたいのは名前なんかじゃない。
「とりあえず、さっきから願いを叶えるって言ってたが…それを詳しく教えてもらえないか?」
「良いですよ、じゃあ説明しますね」
そう言って近くにあった未開封のポテトチップスを手に取り、開封し食べながら話し出した。
もはや何でもありか?この精霊は…
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