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「じゃあ、真面目に話しますね」
満足したのか精霊はソファーに腰掛け、俺はベッドに腰掛けた。
「私は7つの願いを叶える為にここに来ました。但し、それには幾つかの条件があります」
「条件?」
「1つは、自分に対しての願いは叶えられません」
「はぁ?」
自分に対しての願いは叶えられない?
じゃあ何の願いが叶うってんだよ…
「自分に対しての願いは叶えられないですが、相手に対して願った事は叶えられます」
「どういう事だ?」
もはや俺には意味が分からない…
「つまり…金持ちになりたいっていう願いは自分に対してだからダメで、誰かを大金持ちにするのは出来るって事ですね」
要は自分じゃなく相手を幸せにする精霊か…
酷い設定だ…
「次に、同じ願いは叶えられません」
「それは先程の例に例えると…Aさんに対して金持ちの願いを叶えると、Bさんに対しては出来ないって事かい?」
「まぁ、簡単に言えばそういう事になりますね」
もはや俺は興味を失くしていた。
自分に対しての願いが叶えられないんでは、意味がないからだ。
「最後の条件は……」
そう言いながら精霊は口を濁した。
何か言うのを躊躇ってる感じだ。
「どうした?」
「……いえ、何でもありません」
何か急に元気を失くしたな…
最後の条件はまた今度と言われ、話はそこで終わった。
さて、少し頭の中でも整理してみるか…
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