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仕方なく、新たにカップラーメンを作る事にした。
俺はカレー味で、精霊はシーフード味だ。
「わぁ~美味しいです」
初めて食べた子供の様な笑顔で言う精霊に、少しドキッとした。
見た目は可愛いんだが、精霊なんだよな…
「ところで、精霊さん」
「なんですかぁ~?」
語尾を伸ばすな。
お前は女子校生か?
「精霊って呼びにくいからさ…名前で呼びたいんだけど?」
「名前で?でも、私に名前なんて無いですよ?」
そうなんだよな…
でも、このままじゃ呼びにくい。
「今まで仕えていた人から何て呼ばれていたんだ?」
「う~ん…精霊以外に呼ばれた事ないですね」
確かに精霊以外にない…
特徴と言えば赤髪しかないからな。
「趣味とか特技は無いのか?」
「主人の願いを叶えるのが使命なので、そんなのは無いです」
そりゃそうだわな…
しかし、よく食べる精霊だな。
それにしては太っていないという、女性にしては羨ましい光景だろう。
ん?食べる?
「じゃあ、詫恵(タエ)って呼ぶ事にしよう」
「詫恵?何でですか?」
自分が何故そう呼ばれるのか不思議な顔をしている。
「まぁ、そのうち分かるさ」
「ふぅ~ん…何でも良いですけどね」
ん?少し頬が赤いぞ?
もしかして照れてんのかな。
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