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30分位走ると、海が見えて来た。
『おいっ!!見えて来…』
助手席に視線を向けると、窓に額をくっつけながらリィは気持ち良さそうに眠っていて
そんな彼女を微笑ましく思わずながら、俺は駐車場に車を停めた。
せっかく着いたし
起こそうか…?
でも、こんなに気持ち良さそうに寝ているのを起こすのも可哀想な気もする。
そう思いながらも結局は、リィの寝顔を見ていたいってゆうのが正直な気持ちかもしれない。
タバコを吸いながら、時折リィの寝顔を覗き込んでニヤける。
きっと俺は…変態だ。
イヤ…
でも変態じゃねぇ。
好きな子の寝顔を見ただけで、こんなに幸せな気持ちになれる俺は…
変態じゃねぇっ!!
むしろ純粋過ぎるだろ?
良い年こいて…
俺は何やってんだか…。
初めて会う女でも、名前や番号を聞いたり、デートに誘ったり、押し倒したり…
今までは平気でそんな事もできてたのに、リィの前じゃ…何も出来なくなる。
なんか、いつもの調子が出せねぇ。
それはきっと、俺の恋心の問題じゃねぇ。
リィの雰囲気がそうさせるんだ。
春、リィの為にX'masソングを歌ってからリィの事を知れば知るほど…
雪みたいな奴だと思った。
いつ降ってくるか分かんなくて
真っ白でフワフワしていて…
触ると溶けて消えてしまいそうで…
でも、全ての景色を真っ白に変えてしまうほどの力を持っている…雪。
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