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「どこ行きたい?行き先決めないで出たからなぁ」
「私…海行きたいです…」
「海か…いい場所知ってるんだ!」
司は手際良くカーナビでルート検索し目的地までの道のりを確認した。
ナビ通りに車を走らせていると、やがて道沿いに海が見え始めた。
太陽の光が水面で反射してキラキラと輝いている。
「綺麗…」
食い入るように景色を見ている冴子を見て司も微笑んだ。
「着く前にご飯食べようか?近くに美味い店あるんだ」
「はい」
しばらく走ると1件の洒落た洋食屋に車を停めた。
「ここのオムカレー絶品なんだ!」
司が冴子の左手を握り指を絡ませた時、冴子はふと感じた。
「ちょっと待って下さい…」
手を離すと冴子は薬指に光るモノに目を向けた。
結婚指輪だけが輝きを保ったまま冴子の薬指で存在感をアピールしていた。
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