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テーブルにはフロントで注文しておいたシャンパンとチーズの盛り合わせが並んでいた。
「俺もシャワー浴びて来るから乾杯はちょっと待っててな」
イタズラっぽくウインクすると司もバスルームへ行った。
冴子はカーテンを少し開けて外の夜景をぼんやりと眺めた。
まさか、こんな日が自分に訪れるとは思ってもいなかった。
信夫の信じらんない裏切り…
今思い出しても悔しくて仕方ない…
「ぼんやりしてどうした?」
背後から司が冴子を抱きしめていた。
温かい肌の温もりが冴子の心までも優しく包み込んでいく…
「乾杯しようか」
「はい…」
良く冷えたシャンパングラスに注がれるゴールドの淡い色がとても綺麗で、冴子はしばらく見つめていた。
「俺達のこれからに乾杯!」
グラス同士のぶつかる音さえ心地良く感じる。
シャンパンを口に含むと優しい甘さが口いっぱいに広がる。
「これ…すごく美味しい…」
「このチーズも美味いぞ」
冴子がチーズに手を伸ばした時、司がその手を掴んだ。
そのまま引き寄せ唇を重ねる。
冴子を抱き上げるとベッドに降ろした。
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