―現実問題―

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昼休みになり、冴子は優といつも通りランチに出かける。 ただ、そこには会話はなかった。 冴子から見れば今の優は親友と言うより信夫の浮気相手だ。 ただの浮気相手ではなく… 信夫の遺伝子を受け継いだ子供まで産んでいる… 冴子には憎むと言うより妬ましかった。 自分は信夫の子供を産めなかったのに… 何故 優が産んだ… 「すいません。ハンバーグドリア下さい。優ちゃんは?」 「あ…私は…」 「私に申し訳なくてご飯も喉通らないかしら?」 しばらくすると冴子の注文したハンバーグドリアが運ばれて来た。 「美味しそう…いただきます!」 「冴子…私いつかはちゃんと冴子に話さなきゃって思ってたの」 冴子はただ黙って食事をしていた。 食べ終わると 「あなた達の裏切りは一生許さない」 そう言い残して店を出た。 仕事が終わると冴子は買い物を済ませ司のマンションへと帰った。 鍵を開け中に入ると着替えを済ませ夕食の準備に取りかかった。 今日は会議もないから早く帰ると司は言っていた。
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