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深い深い闇の中。
在るはずのない瞳から微かな光が差しこみ人魚姫は眩しそうに、瞳を動かした。
まだ視界はぼやけ、はっきり見えない。
うっすら見える景色は、姉達が周りを取り囲み心配そうにこちらを覗き込む姿だった。
何故……?
何故、姉さん達がいるのだろう?
ここは……
ここは海底の城。
私の部屋のベッドの上?
泡になったはずの自分の身体はちゃんと存在している。
胸まで掛かった布をそっと持ち上げるとそこには人魚本来の姿があった。
何故……?
だんだん視力を取り戻した人魚姫はある事に気づいてしまった。
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